navras’s

サンスクリット語でnavaは9、rasaは感情。

湧水

f:id:navras:20161003114032j:plain

 

彼女は昔と変わらぬまま、そこにいた。

彼女は昔と変わらぬまま、微笑をたたえていた。

彼女の眼差しは、時に宙空を眺め、時に憂う。

 

時間も空間も意味はない。

ただそこにあること。

ただそばにいること。

 

彼女のエネルギーはまるで湧水のように溢れ。

彼女の愛情は、湧水のように滞ることがない。

山間の温泉の如く、塩釜の冷泉の如く。

彼女は大地と感応する。

 

彼女は原始の太陽であり、原始の水の女神だ

命の根源にいたる存在。

 

彼女は、未来もそこにいる存在。

彼女は、未来でも、私に微笑んでくれるだろうか?

 

私の中に泉が、溢れいずる。それは彼女であり

また私自身である。

いつか、水は天空へと駆け上がる。

その時、私と彼女は再びひとつになり、

この世界のどこかに一滴の水滴となって生まれいずる。

こうして、長い年月彼女と私は、生まれ…離れ…

そうして、また源へと還るのだろう。

(my)