空蝉
こんな白昼夢をみた……
洞窟をでると、夕方の土手沿いを歩いていた。
私は警官の姿をしており、ひとりで歩いていた。
やがて私は、小さな「魚市場」に着いた。
そこには小柄で短髪の女性が、キラキラとした瞳で
私を待ち構えていた。
あるときは少年のように快活で、
またあるときは、少女のように、けなげな私の想い人だった。
彼女はいつも、私の帰りを待っていた。
私はどうやら、いつも帰りが遅かったらしい。
やがてシーンが変わると、私は打ちひしがれ、慟哭し
石畳の床に両手をついて号泣していた。
愛する人を失ったことは、すぐにわかった。
彼女は死んでしまった。
長い長い牢獄のような月日が流れた。
白昼夢の間、動悸が激しくなり、胸が苦しくなった。
足が細かく震えだして、とてもそれが苦痛だったし、
体温が上がり、とても暑く感じて、私は戻ってきた。
この夢の答えも意味も、
なんとなく自分ではわかっているような気がする。